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飛燕と姫路城 その1

川崎重工創立120周年記念展を見てきました。

場所は神戸のポートターミナル
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ポートアイランドにつながる橋の所で、橋からは神戸の港が一望できます。
車で静岡を朝5:00に出て9:45に到着。
開場15分前のちょうどいい時間ですが渋滞に引っかかっているので
余裕見るならもうちょっと早く出ればよかった。

三式戦 飛燕が展示されています。
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元は鹿児島の知覧特攻平和会館に展示されていた機体。
オリジナルに近づけるように川崎重工で修復しているものです。

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太平洋戦争中の日本軍主力戦闘機では唯一の液冷エンジン。
前面投影面積の小さいスマートなシルエットが特長です。

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塗装がはがされた状態なのでリベットラインが完璧に見えます。
見れる分だけは一通り写真とってきました(また余計な誘惑が)

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外板はへこみが見られます。
スタッフに話を聞いたら外板の厚みは1.0mm~0.8mm、
強く押すとそれだけでへこんでしまうそうです。
今まで長く保存される中でいたるところがへこんでしまっていて
塗装を落としたらあちこちにパテ埋め(自動車用などで)が見られたそうで
今回はオリジナルの状態にできるだけ戻すためそれらも全部おとしたとのことです。

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色が違う場所がありますが、これは今回修復した部分ではなく
以前輸送のために主翼を切断し、それを当時直した跡だそうです。

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脚収納庫の色はオリジナルのカラーではありません。
米軍が塗ったものだそうで、その塗装がめくれた奥にオリジナルの色が確認できるとのこと。
色はコックピットと同じグレイだそうです。

ハ140エンジン
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ドイツのDB601エンジン(BF109Eなどが搭載)をライセンス生産したのがハ40で
これを積んでるのが三式戦一型
ハ40の圧縮比を高めたりして1175馬力から1500馬力までパワーアップしたのがハ140で
これを積んでるのが展示機体の三式戦二型
元々トラブルの多かったハ40をさらにいじったので
生産も稼働率もダダ落ちして、エンジンなしの機体があふれた結果
空冷エンジンを取り付けた五式戦が出来たのは有名な話。

DB603の過給機(スーパーチャージャー)
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DB603はHe219やDo335等に搭載された高性能エンジンでDB601とはシリーズが異なります。
(DB601をボアアップして出力を上げた直系の改良型はDB605でこちらはBf109G等に搭載)
飛燕の修復にあたりハ140の過給機の内部資料が全くなく、
ハ40から大型化された過給機の構造を調べる為に
オクで落としたものだそうです(こんなものがオクに出てる時点でびっくりですが)

そんなこんなで復元したハ140の過給機
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これは樹脂モデルで、エンジンを組み込む際には金属で製作して取り付けるそうです。

何かと苦労した日本の液冷エンジンのライセンス生産ですが
イタリアも同じようにドイツの液冷エンジンをライセンス生産しています。
DB601はアルファロメオが生産しMC.202等に搭載、
パワーアップ版のDB605はフィアットが生産しMC.205やG.55等に搭載。
いずれもきちんと物にしています。
ヘタリアだのお荷物だのいろいろ言われますが
さすがは古くから自動車文化のある工業国でしょうか。

計器盤
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計器類はオリジナルを探してきて、ない部分は資料をもとに製作したそうです。
最終的には組み込んでしまうので、裏側などが見れるのは今回だけ。

ラジエーター/オイルクーラー
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ほとんど資料がなく復元に最も苦労した部分だそうで、
機体の取り付け部などから推測して復元したそうです。

~過給機技術の頂点へ~というテーマでカワサキのフラッグシップH2/H2Rも展示されています。
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今回、飛燕の過給機を復元するにあたり、スーパーチャージャー装備のH2Rの開発を行った
バイク部門のスタッフも協力したそうです。

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タミヤからキット化されますが、カウルのカーボンや鏡面塗装、
エキパイの焼けなど、モデラーの腕の見せ所が満載のマシンです。

飛燕というと液冷エンジンのトラブルのことで、当時の日本の工業力が取り沙汰されますが
明治維新から僅かの間にここまで発展したことだけでも驚異的なことです。
今の日本の礎を築いた先人方の多大な努力の証として大切にしていきたいと思います。
今の日本・・・
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ゴメンナサイ、すごく斜め上に行ってしまって本当にゴメンナサイ。

今後、飛燕は改修が終了したら
岐阜のかがみはら航空宇宙科学博物館での展示を検討しているそうです。

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